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別府竹細工について ABOUT BEPPU BAMBOO CRAFT

温泉とともに育まれ
まちに根付く伝統工芸 別府竹細工

素材の持つ美しさと強さを
優れた職人たちが手仕事で
カタチに仕上げています

海外にも愛好家を持つ芸術作品から
生活を彩る日用雑貨
ファッションアイテムまで
時代のニーズと共に変化を遂げてきました

ABOUT 別府竹細工とは

伝統的工芸品
別府竹細工

1979(昭和54)年、伝統的工芸品の指定を受けた別府竹細工。大分県唯一の伝統的工芸品である別府竹細工とはどういうものなのでしょうか。

伝統的工芸品 別府竹細工とは?

「伝統的工芸品」とは、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づき経済産業大臣が指定するもので、指定には次の5つの条件をすべて満たすことが必要です。これにより、指定を受けた伝統的工芸品の「別府竹細工」とは、伝統的なひご取りや編みの技法等の定義に従って作られるものを指します。

  • 主として日常生活の用に供されること
  • 製造過程の主要部分が手工業的であること
  • 伝統的に使用されてきた原材料を主として用いること
  • 伝統的な技術または技法により製造されること(その技術または技法が100年以上の歴史を有し、現在まで継続していること)
  • 一定の地域において少なくない数の者によって製造されること(10企業以上または30人以上の従事者)

別府竹細工の特徴 特徴的な編み方

別府竹細工は、平らなひごを編む・組むなどして一つの形にしていく「編組(へんそ)」により作り上げられていることが特徴です。「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に基づく伝統的工芸品に指定されている別府竹細工は、その技法として8つの編み方が指定されています。これらの組合せにより、200種類以上の編み方が可能です。別府竹細工に用いられる編組の種類は、製品の形とともに非常にバラエティに富んでいます。

8つの編み方の技法

  • 四つ目編みのイメージ
    四つ目編み
  • 六つ目編みのイメージ
    六つ目編み
  • 八つ目編みのイメージ
    八つ目編み
  • 網代(あじろ)編みのイメージ
    網代(あじろ)編み
  • こざ目編みのイメージ
    こざ目編み
  • 縄目編みのイメージ
    縄目編み
  • 菊底(きくぞこ)編みのイメージ
    菊底(きくぞこ)編み
  • 輪弧(りんこ)編みのイメージ
    輪弧(りんこ)編み

HISTORY 別府竹細工の歴史

時代に合わせて
変化する別府竹細工

別府竹細工は、生活様式や価値観の変化によってさまざまな製品に発展してきました。現在でも多くの竹工芸作家がおり、日々研鑽し作品や製品を世に送り出しています。

時代の変化とともに、受け継がれるもの、カタチを変えるもの、様々です。伝統的工芸品「別府竹細工」の定義には当てはまらないものも含め、伝統と文化を継承しています。

HISTORY OF BEPPU BAMBOO CRAFT 別府竹細工の歩み

  • 竹細工のはじまり

    「別府竹細工」の起源は諸説ありますが、別府では1世紀頃からすでに竹を編んだかごやざるが使われていたとも言われています。室町時代には、行商に使用される籠が売買されるようになり、竹細工の本格的な生産が始まり、市場が整えられたのです。江戸時代、別府が日本有数の温泉地・湯治場として有名になると、日本各地から湯治客が訪れるようになりました。療養が目的の湯治客たちの滞在は、通常1週間以上。その期間、自炊に必要な籠やざる、すだれや味噌こしなど生活用品の需要が高まり、販売が盛んになったのです。滞在中に使用した竹製品は各地にお土産として持ち帰られ、それが好評を博し、竹細工は別府の産業として発展を遂げました。
    竹細工のはじまり画像
  • 産業としての竹細工と技術者の育成

    産業が盛り上がりを見せるなか、明治の終わりには、技術者の育成や技術研究を行う施設「別府浜脇両町組合立工業徒弟学校」が設立されました。学校の竹藍科では、兵庫県「有馬竹細工」の優れた職人が指導にあたり、技術の向上や製品の多様化をもたらし、地場産業としての基盤が整えられたと言われています。昭和に入ると「大分県工業試験所別府工芸指導所(現 大分県立竹工芸訓練センター)」、「別府市工芸研究所(現 別府市竹細工伝統産業会館)」が誕生しました。
    大分県工業試験所別府工芸指導所(現 大分県立竹工芸訓練センター)画像
    大分県工業試験所別府工芸指導所(現 大分県立竹工芸訓練センター)
    別府市工芸研究所(現 別府市竹細工伝統産業会館)画像
    別府市工芸研究所(現 別府市竹細工伝統産業会館)
  • 日用品と芸術作品

    日用雑貨や観光土産が中心だった大正時代以降、職人たちの技術向上により、芸術性の高い美術品、工芸品も作られるようになりました。しかし、昭和30年代に入り、安価なプラスチック製品の登場により大打撃を受けます。そんな中、生活用品とは異なる高級化・付加価値化を図り、高い技術と造形性を持つ美術工芸品としての竹工芸家も誕生するようになりました。1967(昭和42)年には、別府市出身の生野祥雲斎が竹工芸で初めて人間国宝に認定されました。
    日用品画像
    芸術作品画像
  • 伝統的工芸品

    1979(昭和54)年、別府竹細工は「伝統的工芸品」に指定されました。100年以上の歴史を持ち、「主な製造工程が手作り」「伝統的な技術・技法によって製造されている」などの厳しい条件を満たし、経済産業大臣の指定を受けたものが伝統的工芸品。2024年10月現在、全国で241品目を数えます。

    職人の手によって生み出される別府竹細工は、伝統の技と職人・作り手の想いが凝縮されています。それぞれに特徴的で個性的な魅力があり、同じものはありません。使うほどに愛着がわき、あるだけで心地よくなれる。そんな別府竹細工の魅力に、ぜひ触れてみてください。
    伝統工芸品画像