
日本における最も古い竹細工は、2000年以上も前のものと伝えられています。
竹は育成も早く、繁殖力も強いことから、手に入りやすい植物として重宝されてきました。軽くて丈夫、しなやかで加工もしやすく、濡れても乾燥しても反りにくい特性もあります。それを活かし、農具や釣り道具、生活用品、楽器や茶道具など様々な用途で作られてきました。近年では、エコな素材として注目され、現代的にアレンジした竹製品も数多く登場しています。
竹を取り入れた心地よい生活の第一歩を踏み出すために。毎日の暮らしに彩りを添える竹細工の魅力や、生活での取り入れ方、長く使うための工夫などをご紹介します。

DAILY USE 暮らしを彩る竹細工

独特な風合いとしなやかさを持つ竹。自然素材ならではの、触れたときの心地よさを感じられます。繊細に見える竹細工ですが、しっかりしていて、とても丈夫。これも手仕事がなせる技です。
普段手にして使う暮らしの道具としての竹細工、ぜひ手にとってご自身の手に馴染むものを選んでください。手にとってわくわくしたり、空間に佇んでいるだけでほっとしたりする、そんな愛着の湧く一品と出会えますように。
生活のワンシーンを
豊かに彩る竹細工
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キッチンツールに
ザルやトレーなどは、値段も比較的リーズナブルに手に入りやすく、生活に取り入れやすい竹細工です。くだもの入れやお菓子盆、調味料入れなど、食卓の上をさり気なく彩ってくれるでしょう。
竹素材の箸や菜箸などは、しなりがあって掴みやすいのが特徴。木のようにポキっと折れることもなく、手や舌に触れる感触が心地良いのでおすすめです。 -
インテリアに
大小、丸いものや角張ったもの、千差万別ある籠は、アイデア次第でいろんなシーンで活用できる優れモノです。見える収納として雑誌を入れて、毛糸やマフラーを入れて手芸用の相棒としても利用可能。無造作に置いていても、様になるのが嬉しいですね。
小さい籠やトレーはアクセサリーやキートレイにも使ってもおしゃれ。花籠は、素敵な空間を演出できるアイテムです。散歩中に見つけた花を一輪生けるだけで、季節を感じられるでしょう。種類も豊富で、小さいものは値段も手頃なものがあります。最近は、照明やオーナメントなどのいろんな種類も増えています。 -
ファッションに
定番の籠バッグは、大きな買い物籠からショルダーバッグ、小さなバッグなどさまざま。中に入れる布袋を変えることで、いろんな表情を見せてくれるのもまた魅力。和装・洋装どちらでも馴染み、軽くて持ちやすく使いやすいのが特徴。
籠だけで自立し、カタチも崩れず、機能面でも優れものです。ピアス、ブローチ、髪留めなど竹細工のアクセサリーもバリエーション豊か。身につけても軽く、どんなファッションでも馴染みやすいので、ぜひ挑戦してみてください。
FOR A LIFETIME 一生ものの竹細工
時を経るごとに愛着がわき馴染むのが、
竹細工の醍醐味です。
大切な竹細工、末永く手元に置いて愛用し、
育てていくのも竹細工の魅力です。
経年変化を楽しむ
壊れず丈夫で、人生の長い時間を共にできる竹細工。使えば使うほど愛着がわきます。革製品のように経年によって色合いが飴色に変化し、艶が出てくるのも特徴です。使ってこそ良さが生きる竹細工、大事にしまい込むのではなく、ぜひ使っていきましょう。

修理して、長く使う
竹細工の割れやカケは、職人の手によって修正が可能です。特に作家が分かっているものの場合は、本人に修理してもらえるケースが多いでしょう。壊れてしまった部分を補修するだけで、また生まれ変わります。まさに一生ものです。

長く愛用するための
お手入れ・取り扱い方法

そこで、竹細工・竹製品を取り扱う上での注意点やお手入れ方法をご紹介します。
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取り扱い時に気をつけること
- ・油がしみ込むと落ちない場合があります。
- ・濡れたまま放置するとカビが発生することがあります。濡れたタオルなどとの接触を避けてください。
- ・食器洗浄機、電子レンジは使用しないでください。
- ・竹は1本ずつの繊維密度が異なるため、乾燥の進みも異なり、ものによってひび割れることもあります。竹の性質によるもので、不良品ではありません。
- ・カビが生えることがあるので、ビニールに入れての保存はしないでください。
- ・保管するときは風通しがよい、なるべく高いところに保管しましょう。
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水で濡らしたときのお手入れ
水分をよく拭き取ってから、風通しのよい場所で乾燥させます。直射日光には当てないようにしましょう。
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汚れてしまったときのお手入れ
洗剤を使ってやさしくスポンジでこすり汚れを落とします。